科学的に正しい保管方法を紹介します。
また既に黄ばんでしまった本の直し方も解説するので、参考にしてみてください。
本や漫画が黄ばむのはなぜ?3つの原因を解説
本や漫画の色落ちや黄ばむ原因は、主に以下の3つです。
- 光(紫外線)
- 湿気
- 酸化
順番に見ていきましょう。
原因①:光(紫外線)による黄ばみ・色褪せ
本は日光などに含まれる「紫外線」によって黄ばんだり色褪せたりしてしまいます。
これは紙に含まれるリグニンという物質が、紫外線によって変色してしまうため起こります。
参考:東芳紙業
本や漫画は意外と繊細なので保存・管理を正しく行わないと簡単に変色してしまいます。
ちなみにリグニンがどのくらい影響を受けやすいかというと、「リグニンが多く含まれる新聞紙を直射日光に当てておくと、早くて1日で変色し始めるくらい」です。
一応、本や漫画は新聞紙ほどリグニンを含んでいません。
しかし直射日光の当たる場所に置いておけば、数週間もすればあっという間に表紙が日焼けして色褪せてしまったり、黄ばんできたりすることがあります。
原因②:湿気
湿気も本を劣化させる原因になります。
- ホコリ
- カビ
- ダニ
などを増殖させるので、本や漫画にダメージを与えます。
この原因は、光が当たってなくても本棚に置いておくだけで起こります。
カビは本から本へと移っていくこともあるので気をつけてください。
特に夏(梅雨)の時期は要注意。
湿気対策をしっかりしないと、本や漫画がカビだらけになってしまうこともあります。
原因③:酸化
最後の原因は「酸化」です。
酸化というのは、空気(酸素)にものが触れることで起こってしまう現象。
これによって本の色褪せや黄ばみが進んでしまうんですね。
ただ本棚に置いてあるだけでも空気に触れている状態なので、年月が経った本は色褪せていることが多いんです。
【正しい保管方法】本や漫画の黄ばみ・色褪せを防止するための対策
本や漫画をなるべく黄ばみから守り長く綺麗に保つための、正しい保管方法を解説します。
次の7つを意識してみましょう。
- 日光の当たるところ置かない
- 本棚に遮光カーテンをつける
- 窓に紫外線防止フィルムをつける
- LEDライトを使用する
- 乾燥剤を置く
- ブックカバーを掛ける
- 電子書籍にする
順に見ていきましょう。
正しい保管方法①:日光(紫外線)の当たるところ置かない
まずは本の黄ばみの原因である「日光(紫外線)」を避けなければいけません。
とりあえず本棚は日陰に置くようにしましょう。
日中に太陽がどの方向にあるかを考え、直射日光が当たらないような本棚の配置を考えてみてください。
正しい保管方法②:窓に紫外線防止フィルムをつける
どうしても本棚を置く場所が日向になるのであれば、窓に紫外線防止フィルムをつけましょう。
これである程度紫外線をカットできます。
それでもまだ心配という人は、次の方法がおすすめです。
正しい保管方法③:本棚に遮光カーテンをつける
本は日光だけでなく、蛍光灯の光でも劣化していくと解説しましたね。
それを防ぐためには、本棚に遮光カーテンをつけましょう。
蛍光灯の紫外線は日光ほど強くないので、遮光カーテンでも充分予防できます。
こんな感じでオシャレな本棚にすることもできますよ。
本棚のマンガ達を日光から守るための遮光カーテン届いた✨
一応一級遮光らしいのでこれで気兼ねなく窓のカーテンが開けられそうだわ。
それにしても私の部屋カーテンだらけだな~😅💦 pic.twitter.com/O3TKUnpUhZ— 🦌🐿️瑠璃✳️🦌TB2S1完走済 (@ruri_0919) November 9, 2020
正しい保管方法④:LEDライトを使用する
蛍光灯対策として、部屋の光をLEDライトにするのもおすすめです。
LED照明には紫外線をほぼ照射しないタイプと紫外線を含むタイプがあります。
市販されているLED照明の多くは、紫外線を含みません。しかし、近紫外LEDまたは紫色LEDにより、赤色・緑色・青色の蛍光体を光らせる方式の場合には、紫外線を発生させます。
参考:大塚商会
「近紫外LED」「紫色LED」を避け、部屋の電球をLEDダウンライトなどに変更してみるのがおすすめです。
正しい保管方法⑤:ブックカバーを掛ける
ブックカバーがあれば、光と空気(酸化)の両方が防げます。
持ち歩く時や読んでいる時にも「光や汚れが嫌だ」と気にする方には特におすすめです。
書店やネットで気軽に購入できますし、こういったUVカットができるブックカバーもありますよ。
正しい保管方法⑥:乾燥剤を置く
「光」だけでなく「湿気」にも注意です。
本の保存条件は「低温低湿」が前提です。
高温多湿になると、カビが増殖しやすくなるので本の劣化に繋がります。
ただし逆に乾燥しすぎも、本の紙がパサパサになってしまうため良くありません。
夏や梅雨の時期の湿気が心配場合は、乾燥剤を使うのがおすすめです。
本の区画に乾燥剤入れた。全く目立たないし一安心。 pic.twitter.com/r07muMIDcN
— まつりななし (@matsuri774) June 14, 2016
正しい保管方法⑦:電子書籍にする
これは最終手段です。
「黄ばみやカビが嫌だ」「予防がめんどくさい」と考えるのなら、いっそのこと電子書籍にしてみるのはどうでしょうか。
黄ばみやカビなどは発生しませんし、持ち運びもスマホ一つでOKです。
既に黄ばんでしまった本や漫画を直す方法
もちろん直すことはできます。
ここでは、本の黄ばみを直す方法を2つ紹介します。
- 紙やすりで黄ばんだ部分をこする
- 漂白剤で拭き取る
順番に見ていきましょう。
黄ばみの直し方①:紙やすりで黄ばんだ部分をこする
そういえば本の黄ばみが気になる人は紙やすりで擦ると綺麗になるよ。目は細かいのを使うといいよ!! pic.twitter.com/j0hgBIAFqW
— ねむり (@gegegedonn) August 4, 2019
黄ばんでいる部分は、紙やすりでこすると軽く落とすことができます。
紙やすりの目が粗すぎると破れてしまうため、1000番以上の細かい目をオススメします。
紙やすりは、100均でも手に入るのでやってみてください。
黄ばみの直し方②:漂白剤で拭き取る
必要なものは以下の通り。
- 漂白剤(キッチンハイター)
- 水
- 色のついていないタオル(またはガーゼ)
- ゴム手袋
※漂白剤は薬品なので使用するときはゴム手袋をつけましょう。
水で100倍以上薄め漂白剤をタオルに染みこませ、本の黄ばみ部分を軽く拭いていきます。
15分ほど時間をおくと白くなっていきますよ。
紙やすりと比べると綺麗になりますが、拭き取るときの水分が多すぎると表紙がシワシワになるので気をつけましょう。
水分を多くつけすぎた場合は、拭き取ってください。